Asuka Katagiri

   

 もしも写真がなかったら

 
           Contact

 
Friday, December 21, 2007 2:04 AM
「星の時間」

マヤの精密で長大な歴に興味があり、
以前読んだマヤ・キチェー神話「ポップ・ヴフ」についての本を見返した。
マヤ長期計算法の歴について簡単に記すと、
紀元前3114年8月13日を始まりとして、
2012年12月21日に1サイクルが終わる5000年以上にわたる歴だ。
この日は俗に「マヤ世界の終焉の日」などと呼ばれるそうだ。
地球が太陽を一回りする公転周期を現在のグレゴリオ暦では365.2422日としている。
古代マヤ人は一太陽年を365.2420日としていたそうだ。
精度がとても高い。
地球の公転周期は他の惑星などの重力の影響を受け一定でないことが分かっている。
もしかすると古代マヤ人の時代は365.2420日が正解だったのかもしれない。
そのような精密な天体観測をした古代マヤ人が作った長期計算法の歴は、
当時彼らが認識していた、水星、金星、火星、木星、土星の五惑星の公転周期の最小公倍数であったようだ。
そして太陽が銀河系を回る一つの恒星に過ぎないことも理解していたようだ。
地球の地軸が約25.920年で円を書くように動く歳差運動も理解していた。
歴の始まりと文明の始まりとの関連性が確かめられていないことを置いておいても、
数千年前にこの事実を理解し精密な歴を作っていたことは驚きであり興味深い。
また、このような精密な歴を作った時代には、
物に対する価値が知恵よりも低くおかれ、
現在見られるテオティワカンに代表される大ピラミッドは建造されていなかった。
その後知恵以上に物質が重んじられるようになり、
人々の間で争いが起こり文明が衰退してしまったようだ。
現代との共通点を感じとても示唆深い。



 
   
 
|Asuka Katagiri | Contact | ©2006-2017 Asuka Katagiri