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Tuesday, January 29, 2008 7:51 PM
「静止する時間」


長年の天体観測の成果により、
宇宙にブラックホールと思われる天体が多数見つかっている。
太陽数個分から数百万個分の質量を持つらしい。
それらが小さなものでは直径数十キロ以下の領域に収束している。
質量が大きいほど大きな重力を伴う。
ブラックホールのブラック(黒)は光が出てこられなくて真っ暗なところからきている。
光の速度は有限であり重力の影響を受ける。
強い重力で光りさえ出てこられない領域をブラックホールと呼ぶそうだ。
ブラックホールはアインシュタインの発表した一般相対性理論に基づいて導き出された仮説が始まりである。
狭い領域に大きな質量(エネルギー)を押し込めるとブラックホールになるらしい。
地球を直径9mm以下に押しつぶすとブラックホールになるそうだ。
地球ほどの大きな物をそんなに小さく押し込めることなど不可能と思えるが、
太陽の何十倍何百倍もの質量の星となると事情は違うらしい。
このように重い恒星の寿命が尽きると、
星を輝かせてきた核融合反応の収まりと共に、
自らの重みで星が中心に潰れてゆくそうだ。
その結果、中心に高密度の物質をもつ領域(ブラックホール)が生まれるらしい。
全ての物質は重力を伴っている。
地球も人も空気も。
実験でも証明されている一般相対性理論によれば、
重力はその大きさに伴い時間を遅らせるそうだ。
ブラックホールのような強大な重力の元へ落ちてゆく物質は、
時間が果てしなく引き延ばされてゆくように見えるそうだ。
光が戻って来られない領域に近づいた物質は、
時間が静止しているように見えるそうだ。
真っ暗闇の世界へ近づけば近づくほど時間がゆっくりと流れ、
その境界線では時間が静止しているとは、
人の世にも通じているようで面白い。



 
   
 
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