Saturday, February 23, 2008 1:36 AM
「日常の中の大切ないろいろなこと」
テレビが多チャンネル化してどれぐらい経ったのだろうか。
今、放送されているサッカーをすべてみようとしたら、
それだけで生存可能な全ての時間を注いでも、
きっとその全てなど見切れないほどの番組が空から降り注いでいることと思う。
だからテレビ番組を見るときは、
いま興味があることとか、
時間が経っても魅力的なものに限ろうとする。
気になる番組はそれでも一週間のうちにいくつもあるので、
見切れない番組がたまってゆく。
だからその気になればDVDで見ることができそうな映画などは、
録画してまで見ることはほとんどなくなった。
そしてテレビだけが楽しみであるはずもなく、
あえてDVDを探したりする事は希になってしまった。
テレビが人生の中心に無いから、
興味深い番組を沢山見逃していることだろう。
ある期間、継続していた作品であっても、
一度も存在に気づくことなく放映期間が終わっているものも多い。
だから、たまにDVDの並んでいるショップの棚を眺めてみると、
新作ではない新鮮な作品に出会うことがある。
最近久しぶりにショップの棚を眺めていると押井守監督のコーナーがあった。
そこにあった押井守監修作品「風人物語」が目に留まった。
全く知らない作品だった。
作家研究の一環としてシリーズ最初の一枚を観ることにした。
タイトルにあるように風がテーマの一つになっているアニメーション作品である。
主人公はデジカメ部に所属する中学2年生の女の子。
そして押井監督作品「イノセンス」の対局にあるような画づくり。
シンプルな動きの少ないアニメーションでありながら、
不思議で大胆な構図とアニメーションの動きに驚きがあった。
日常の中に現れる不思議な出来事が何気なく描かれてゆく。
日本のクリエイティビィティーの高さを再び思い知らされた。
力の抜けた感じでありながら緻密でのびのびとしている。
緻密さと開放感、日常の中の大切ないろいろなこと。
はじめの3話しかまだ観ていないが、
現代のアートを私は感じることができた。